ぼくはヘルパーだ。


体の不自由な利用者さんの自立生活を支援する事務所に籍を置いている。


大学を卒業してすぐ、この仕事に就いた。


人と接する仕事をしたいと昔から思っていたし、十代の情熱の大半を注ぎ込んだ演劇を続けられる職場を探してもいた。


仕事はシフト制で、夜勤もあって、生活は不規則だ。


でも、自分が自分でいられる時間が確保できることは、ぼくにとって何よりありがたい。



 藤原さんとの付き合いは、そろそろ二年半になる。


今ぼくが訪問している利用者さんの中で、二番目に付き合いが長い。