黙って俺のモノになれ【上】



もちろん“上辺”だけのね。


俺めったに本性見せねぇから。


俺の本性知ってんのは、あの5人と……



「優空ー!おはよ。今日ちょっと遅かったじゃーん!」



こいつだけ。


あの5人にはバレたんだけど…


こいつは唯一自分から本性出した奴。


ま、それだけ信用してるって事だな。



「別に。お前には関係ねーだろ」



「お?今日は1段と黒いね。何かあったか?腹黒モデルっ」



「うっせーよ。黙っとけ、お前は」



「悪かったよ。その笑顔で悪態つくの、まじこえーからやめろ…」



そう言って俺をからかうのをやめたこいつ。


中学から一緒で、最初は相手にしてなかったんだけど…



「で、何があったんだよ」



「別に何でもねぇーって言ってんだろ?」



「嘘つけ!それくらい教えてくれてもいいだろ?俺ら何年友達やってると思ってんだよ!」



そう言って拗ねるこいつ。



「何年って…まだ2年くらいだろ?ったく。転校生送ってただけだよ」



見てわかるように、俺はこいつの押しに負けた。







中1の頃から、モデルの養成所に通ってた俺はあまり学校に通えない日々が続いてた。


それに…うちは転勤族だから、友達の作り方なんて知らなかった。


そんな俺に友達なんて出来るわけがない、そう思っていた頃に舞い降りてきた本格的なモデルの仕事。


もういっそ、学校やめてモデル1本に集中しよう、本気でそう思ってた。



そんな時に出会ったのがこいつ…恒太だった。