放課後。
柊さんを送るため再び1-Aに向かう。
今度はしっかりの柊さんを見つけることができた。
見ると、クラスメートであろう男の子たちと何やら話している様子。
何だ、うまくやれてるようでよかった。
そう思う反面、少し不満な気持ちもあった。
「柊さん、迎えに来たよ」
「あ、成田先輩…!」
呼びかけるとこちらに気づいたようで、急いで帰る準備を始める柊さん。
そんなに急がなくていいのにな(笑)
「お、お待たせしました…」
「全然大丈夫だよ。急がなくてよかったのに」
「急ぎますよ…。先輩待たせちゃったら悪いですから…」
ほら、やっぱりいい子だ。
「優しいんだね、柊さん」
「い、いえ…」
おまけに謙虚だなんて、どんだけいい子なんだろう。
なかなかいないよ、こんないい子。
「ほら、早く入りな。柊さん部屋入ったら俺も帰るからさ」
柊さんの部屋の前。
俺はそう言って彼女が部屋に入るのを見届けた。
「はぁ~想像以上だったな…。まさか俺が…」
こんなすぐに惚れちゃうなんてな。
だけど…守ってあげたいと思ったんだ。
俺の手で。
気づいた気持ちは簡単には消えそうにない。
「心音ちゃん……」
俺、キミの事が
好きだよ。