黙って俺のモノになれ【上】


言葉には出さないけど、明らかに迷ってる様子の柊さん。



「よ、よろしくお願いします…!」



やっぱ、今の忘れて


そう言おうとした俺の耳に聞こえたのは、案内してください、というものだった。


大丈夫かな…。


そう思ったけど、頼まれた以上はやり遂げよう、柊さんを不安にさせないように。


そんな気持ちを込めて



「うん、任せて」



俺はそう言った。







柊さんを教室まで送り届け、自分の教室に向かった俺。


朝の憶測は、確信に変わっていた。


寮から校舎までの短い間でもすれ違う男子にびくびくしていたあの子。


相当苦手なんだろう。


学校案内する時、気をつけてあげないと。


そう決心し、昼休みまでの時間を過ごした。















そして昼休み。



「歩結~やっとお昼だぁ。早く飯食べよーぜー」



「あー悪い、旭輝(ショウキ)。俺今日はちょっと一緒に食べれないんだ」



中原 旭輝(ナカハラ ショウキ)。


1年生の時から仲良くしてる友達。


明るいし、一緒にいて飽きないし、すごくいい奴。



「えー!なんでだよぉ」



「ちょっと先約あってな」



「先約って何だよ!」



そんな気になるかな…。


まぁ言っても減るもんでもないし、いっか。