【歩結side】
初めまして。
成田歩結です。
朝、柊さんを迎えに行くためにいつもより少し早く支度をする俺。
そう、今日は柊さん護衛1日目。
そんな記念すべき最初の担当が俺ってわけです。
「そろそろ出たらちょうどいい時間かな」
そう独り言を呟き、俺は自分の部屋を後にした。
柊さんの部屋の前につくと早速ノックする。
ちゃんと準備してるかな?
なんてちょっと不安になったけど…
「お、おはようございます…。今行きます…!」
そんな不安は中から聞こえてきた柊さんの声により、すぐに消えた。
って、柊さんに限って寝坊なんて事はないか。
しっかりしてそうだし。
数分後、出てきた柊さんに俺は
「じゃ行こっか」
怖がらせないよう優しくそう言った。
まだこれは俺の憶測だけど…………
きっと柊さんは男の子が苦手だから。
学校までの道を歩きながら会話をする俺ら。
やっぱり少し怯えてるな。
話しながら俺はそう感じた。
怖がらせないようにしないと。
「そういえば、もう誰かに学校案内してもらった?」
「いえ…」
「それなら、まだ分からないことも多いだろうし、今日のお昼俺が案内してあげるよ」
そう言ったはいいものの……
やっぱり急に誘ったのはまずかったか…?