黙って俺のモノになれ【上】



あたしは今日1日で大分彼に心を開いてきた。


急いで準備をして先輩の元へ向かう。



「お、お待たせしました…」



「全然大丈夫だよ。急がなくてよかったのに」



「急ぎますよ…。先輩待たせちゃったら悪いですから…」



「優しいんだね、柊さん」



「い、いえ…」



先輩には敵いませんよ………。


こうして学校を出ようとした時、ふとある疑問があたしの中で生まれた。



「あ、あの…先輩…」



「どした?」



「部活とか生徒会とか大丈夫なんですか…?」



あたしを送るって言っても…


成田先輩に限らず皆さん部活があるのでは…?



「あーそれなら、柊さんを送ってから出ることになってる。と言うか、柊さんを送る人は部活業は休んでもいい事になったんだ」



な、なんと言う……。


すごく申し訳ないのですが…。


それでいいのでしょうか…?



「柊さんは気にしなくて大丈夫だよ」



で、でも…………



「まだ納得行かないって顔してるね。本当に大丈夫だから。この事はもうおしまい!ほら、早く帰ろ」



成田先輩はそう言うと、寮への道を歩き始めた。


もちろんあたしの歩幅に合わせて。








そして部屋の前。



「あの…今日は本当にありがとうございました…!」



「いえいえ。柊さんに何事もなくてよかった」



またそんな優しいセリフをさらっと………。



「ほら、早く入りな。柊さん部屋入ったら俺も帰るからさ」



最後の最後まで優しい人だな……。


最初からこんなにいい人でよかったのでしょうか……。






成田先輩の優しさに触れ、これからが心配になったあたしだった………。