黙って俺のモノになれ【上】



「あ、歩結じゃん!」



まただ……。


成田先輩すごく頼りにされてるんだな…。


だってどうせこの人も--



「ちょっと聞きたいことあんだけど…」



彼への相談者だから。



「分かった。今ちょっと取り込み中だからまた後でいい?」



「全然大丈夫。悪いな、いっつも」



「全然。じゃ、また後で」



「おう!」



成田先輩に案内し初めてもらってからずっとこの調子なんです……。


すれ違う人、すれ違う人が成田先輩に相談を持ちかけ、すぎさっていく。


……それも先輩、後輩、同級生問わず。


それでも成田先輩は、誰にでも優しく柔軟に効率よく対処していく。


だからこそ皆に頼りにされているのだろうけど…。


すごく大変そうです…………。


あたしだったら務まりそうもありません…。








そして…


こんなに男の子が向かってくる中でもあたしが逃げ出さずに居られるのも



「あ、成田先輩!丁度いい所に!」



「あ、君は。この前言ってた話かな?」



誰かと話している時に、さり気なくあたしを背中に隠してくれる成田先輩のおかげなんです………。



「……なるほど、そうすればいいんだ!ありがとうございました!」