黙って俺のモノになれ【上】







「はぁ~…。戻ってきちゃった……」



桜河学園の寮の前に立ち、1人呟く。


またあの生活が始まるのかと思うと、気が遠くなります…。


憂鬱な気持ちになりながらも、自分の部屋に無事たどり着いたあたしは、荷物の整理をして成田先輩の部屋へ向かった。


なんでかいうと………


帰寮報告しなきゃいけないからです…。



コンコン---



「成田先輩、いらっしゃいますか…?」



「どうぞ」



中に成田先輩が居るのを確認して部屋へ入る。



「し、失礼します…」



中に入ると、成田先輩は眼鏡をかけて何やら参考書を広げていた。


さ、さすが特進科…。


こんな休日でも勉強してるんだ………。


すると一段落したのか、参考書を見ていた顔を上げ眼鏡を外し、こちらを見て微笑んだ。



「おかえり。どうだった?久々の我が家は」



「あ、よかったです…」



「そう。リラックス出来たならよかった。ここに来たのは帰寮報告するためだよね?」



「はい…」



「うん、おっけいだよ。報告ありがとう」



「……失礼しました」



あたしがそう言うとすぐにまた参考書に視線をおとした。


勉強熱心な先輩だな…………。



「心音ちゃーん!おかえり!昨日は心音ちゃんいなくて寂しかったよ!」



成田先輩の部屋を出て、自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、外出から帰ってきた優空くんと遭遇した。



「た、ただいま帰りました…」



昨日いなかったって言っても、夜だけだし…


夜だと結局あんまり会わないから変わらない気もするんですが…。



「あ!そう言えばね、楓さんが夜皆を集めてくれって言ってたから、ご飯食べ終わったら楓さんの部屋に来てね!」



「……に、西宮先輩が?」



皆を集めるなんて…何するんだろ…。