「ここが今日から心音さんが暮らす事になる寮です」
透瑠先生たちとやってきたのは校舎から少し歩いた先にある大きな建物。
「今日から心音ちゃんと同じ寮かぁ!僕すっごく楽しみ!」
「俺もすごく楽しみ~」
「おい、はしゃぎ過ぎだ」
「翔斗さんは女の子だったら誰でもいいんっしょ?」
寮につくと、喋り始める皆さん。
本当に賑やかな人たちだな……。
でも、暗い雰囲気よりはいいのかも…。
そこには感謝しなきゃだよね……!
玄関をくぐると、そこには綺麗に掃除の行き届いた靴箱があった。
下駄箱の数からもたくさんの生徒さんが暮らしているのがわかります…。
あたしも靴を脱いで自分の靴箱を探していると、成田先輩に声をかけられました。
「心音ちゃんはこっちだよ。まだ靴履いてて」
そう言って案内されたのは玄関入ってすぐ右にあるエレベーターだった。
す、すごい…。
寮の中にエレベーターが……。
言われるがままエレベーターに乗り込み、3階へと向かう。
チン
無事3階へと辿り着き、広い廊下を歩く。
「そういえば、お前らにお願いがあるんだけど…」
廊下を歩きながら当たりを見回していると、透瑠先生が男の子立ちに向かって話し始めました。
皆は不思議そうな顔で先生を見ている。
「桜河で心音さんは女子1人だろ?だから皆で心音さんを守ってほしいんだ。男ばっかりで不安だろうから」
その言葉に皆が納得する中、桐沢くんだけは不満げな顔をしていた。
そして桐沢くんが口を開こうとした時。
「もちろん湊叶もな」
と先生が釘をさしました。