黙って俺のモノになれ【上】


教室に入るとこれまた男だらけの光景。


覚悟はしていたけど、やっぱり男の人は苦手で俯いてしまう。



「今日からA組に入る転入生。女の子だからって手だすなよ?」



先生がそう言うとA組の生徒さんたちが次々と口を開く。



「うわぁ!本当に女の子だぁ…」



「なんかオーラが違うな!」



などなど…。


あたしがどうしようかと戸惑っていると先生が助け舟を出してくれた。



「ほら、いちいち騒ぐな。じゃぁ改めて自己紹介してもらおうか。大丈夫?柊さん」



男子達を制しながら、あたしに優しくそう尋ねる先生。


こ、怖いけど…ここで怖がってたらだめだよね……。



「だ、大丈夫です…」



あたしは勇気を振り絞ってそういった。




名前を言うだけ…


たったそれだけなんだけど、あたしは足がすくんでうまく言葉が発せなかった。


ど、どうしよう…………。




早くしないと…!


気持ちばかりが焦って逃げ出したい衝動にかられていた時。



「柊 心音ちゃん、だよね?さっきはどうも」



そう声をかけてくれた優しい男の子がいた。


名前を知られていた驚きに顔をあげるとそこにいたのは職員室を教えてくれた優しい男の子だった。



「ん?玲弥知り合い?」



不思議に思ったのか先生がそう尋ねる。



「んー…知り合いってゆーかさっき下で会っちゃって」



「本当に?」



先生が先ほどの男の子からあたしに視線を向けそう聞いてくる。



「…は、はい。職員室が分からなくて案内してもらって…!」