「……と、言うことなんです」
先生に全てを話し終えたあたしは、涙で顔がぐちゃぐちゃだった。
「それは…大変でしたね…。でも、そんな思いはここでは一切させないから。慣れるまでは大変だと思いますけど、安心して大丈夫です」
と言っても男ばかりだからなかなか難しいか…と言っている先生。
だけど、先生の気遣いがすごく嬉しかった。
日向先生がいるならこの学校で頑張ってみよう、そう思えました。
だけど、そうは言っても周りは男子だらけで緊張しないはずもなく…。
不安な気持ちのまま教室の前にたどり着く。
「ここで待っててね。呼ぶから」
そう言って先生は教室の中へ入っていく。
そう言えば先生…いつの間にか敬語じゃなくなってきてる…。
男子しかいないから敬語なんて使い慣れてないのかも…。
気、使わせちゃったかな………。
それより…あたしこれから上手くやっていけるのかな…。
あたしの真上のプレートに書かれている“1-A”の文字。
あたしは今日からA組の1員になるみたいです…。
1年生はA.B組が普通科
C組が総合学科
D組が特進科
E組がデザイン科だとさっき先生が言ってた。
芸能科は1.2.3年生共に別の建物だそうです…。
何でも結構な有名人も通ってるんだとか……。
そんな事を思い出していると教室から
「どうぞ」
なんて声が聞こえてきた。
………はぁ~。
は、入らなきゃだめだよね…………。
あたしは意を決して教室の扉を開けました。