黙って俺のモノになれ【上】



なんとなくだけど、今一瞬優空くんの表情が



“何で見に来てんの。本当気持ち悪いからやめろ”



そう語ってる気がした……。


それにしてもやっぱりまだ、分かってても優空くんの二重人格にはついていけない…。


本当に、器用だよね………。



「そしていよいよ最後!エントリーNo.10、1年生普通科代表桐沢湊叶!」



「………別に意気込みなんてねー」



桐沢くんらしい…。



「……大丈夫。口ではああ言ってるけどあいつ、本気だ。手を抜くつもりなんてさらさらないしむしろ優勝狙ってると思うよ」



左隣の工藤くんがぼそっとそう呟く。



「どうして分かるんですか…?」



「んー、長いこと一緒にいるから?あいつ、本当素直じゃないから癖とか見つけないと分かりにくいんだよ」



桐沢くんの癖か…。


工藤くん、すごい。



「それじゃあ、始めましょう!気になる最初の対決はシチュエーション問題!今からそれぞれにあるシチュエーションを体験してもらいます。その状況にいかに柔軟に対応できているか、見ている生徒たちに投票をしてもらって順位を決定します!」



いきなり難しそうな問題……。


だけどこれ、得意そうなのは成田先輩か優空くん。


朝霧くんや桐沢くんは苦手なんじゃないかな…?



「それでは1番の岡崎さんから順番にお願いします!それ以外の生徒さんはすみせんが、裏で待機しててください!」