《再び失礼します。あと3分でエントリーを締め切りますので、参加される方はお急ぎください》
そんなあたしたちに追い打ちをかけるように放送が鳴り響く。
「俺は行くよ。奏夢以外の皆はどうする?」
「俺も。行く」
「歩結と楓が行くなら俺も行くよ。心音ちゃん放っておけないし」
こうして先輩たちはあっさり全員参加することに落ち着き…
「おいお前ら、先輩たちが出るっつーのに出ねぇつもりかよ!」
「……出るよ。絶対優勝してやる」
「湊叶はどーすんだよ?」
「別にどうでもいい。……けどまぁ、たまにはこーゆーのもいいんじゃねーの?」
朝霧くんたち1年生も何とか…意見がまとまったらしい。
「じゃあ結局全員参加?そうと決まったら本部に急がないとね。って事で俺ら行ってくるから…心音ちゃんはステージ、ちゃんと見てて」
「ちゃんと見とけよ。のろま!」
朝霧くんのそんな声が聞こえたかと思うと、6人は一斉に生徒会室から姿を消した。
いっきに静まる室内。
いつの間にか涙も止まっていたあたしは、ステージを見に行くために生徒会室を後にした。