黙って俺のモノになれ【上】



「何か心音…変わったね!背もそうだけど…男子と一緒にいるなんて。何かあったの?しかもここ、元男子校だよね?!」



「これには深い事情があって…。ここにいる皆さんは寮の同じ階の仲間って言うか、友達っていうか、その…………」



「ったく。お前テンパってんじゃねぇよ!もっとハッキリ喋れ。ノロマ!」



「はい…すみません…。あのね、お母さんが再婚する事になって。その関係でここに転校することになったの…」



「うん…。それで?」



朝霧くんのおかげで落ち着きを取り戻したあたしはこれまでの経緯を叶愛ちゃんに全て話した。



「あたし、ここが元男子校だって知らなくて…。不安だらけの生活を1日交代でサポートしてくれてるのが彼ら6人ってわけなんです…」



「なるほどね…。聞きたいことは山ほどあるけど、とりあえず。挨拶遅れてごめんなさい!心音の中学時代の友人の藍田叶愛(アイダ カンナ)です。初めまして!」



6人の男の子たちに頭を下げる叶愛ちゃん。



「はは。元気だね。気にすることないよ、藍田さん」



「ありがとうございます!それで心音、時間もないし2つだけ聞かせて」



「…うん」



「まず1つ目!この人たちと普通に一緒にいたって事は男嫌い…なおったの?」



「…うん。完全にって訳では無いけど…。もうほとんど薄れてるよ」



正直、答えにはすごく戸惑った。


彼らには…何も話してないから。


……ただ1人、成田先輩を除いては。


どうして護衛が必要なのか。


どうして距離をとっていたのか。





──────過去に、何があったのか。





それでも今、皆が反応しなかったのは彼らの優しさなのか。


それとも気づいていたのか。