黙って俺のモノになれ【上】



「ははっ!そんなに謝んなくても。てゆーか、心音ちゃんのおかげでむしろ何かスッキリしてるから。本当、気にすることないよ?ありがとう!」



ほんの少し、小さな約束を交わしたあたしたちはすぐに皆が待つところへ戻った。













「あ、帰ってきた」



「おい心音。お前何もされなかったのか?!」



「やだな~奏夢。ひどくなぁい?」



いつも通り朝霧くんに返した先輩と皆に気づかれないように目を合わせ、微笑みあった。


余計なことしたかもって思ったけど…。


先輩…少しでも前に進めたみたいでよかった。


あたしが皆のおかげで男嫌いが克服できたみたいに、あたしも皆の力になれてたらいいな…。


そんな気持ちで皆を見ていると、突然。



「──────やっぱ心音じゃん!」



大きな声であたしの名前を呼ぶ人がいた。



「ちょ、何?もー、びっくりするんだけど。知り合い?うち、先行っとくわー」



友人にそう言われ、



「ごめん!すぐ行くから!」



そう言いあたしの前に立ちはばかるあたしの名前を呼んだ張本人。



「久しぶり。心音!」



「──────叶愛ちゃん…!」



その人は忘れもしない。


中学時代1番仲のよかった友達…叶愛(カンナ)ちゃんだった。