翔斗先輩は前のまま…全く自分をだそうとしない。
別にここで出さなくてもいいんだけど…この雰囲気はまさか…………。
ここにいる5人も知らない…のかもしれない。
もしかしてあたしは、とんでもない事を聞いてしまったんじゃ…?
「─────ん?みーおちゃ~ん?」
「…あ、すいません…先輩。どうかしましたか…?」
「ん~、やっぱいいや。皆、少し心音ちゃん借りるね?すぐ戻るから~」
言うが早いが、先輩はあたしの手を引き歩き出した。
「ちょ、翔斗!絶対戻ってこいよ?」
「分かってるって。心配しないで~」
「せ、先輩──────?」
「ごめん。もう少し待って」
あたしの呼びかけに応えたのは、翔斗先輩そのものだった。
「はぁー。ここまで来れば大丈夫かな…」
翔斗先輩とついた場所は、まだ少しだけ人が残るグラウンドの片隅。
成田先輩たちとは…距離にして約5mくらいかな……。
とは言っても木陰にいるから、先輩たちからは見えていないはず。
「ごめん。急に引っ張って」
「はい、全然……」
「あのさ、さっき考えてたと思うんだけど…。気づいてる通り俺まだ何も話してないんだ、自分のこと。けど必ず自分から話すから…もう少しだけ黙っててくれないかな?この通りっ」
そう言って胸の前で手を合わせ、小さくお願いする先輩。
「やっぱりそうだったんですね…。あたし…本当にすいません…!デリカシーなさすぎ、ですよね…。その約束、必ず守ります。くれぐれも無理だけはしないで下さいね……」



