黙って俺のモノになれ【上】



「それより、あんた時間大丈夫なの?」



あ…時間…!



「大丈夫じゃない…!お母さん、ありがとう。行ってくるね」



「急いでいって転ばないようにね。楽しんでらっしゃい!!」



そう言ってお母さんはヒラヒラと手を振った。



「うん。いってきます…!」














「叶愛ちゃん……お待たせ…!」




待ち合わせの場所に行くと、叶愛ちゃんが壁に寄りかかって待っていた。



「あ、心音~!可愛いじゃん!」



そう言って微笑む叶愛ちゃん。



「叶愛ちゃんの方が可愛いよ……!」



薄い水色のベースに花柄が書いてある浴衣は、元気で可愛い叶愛ちゃんぴったり。


一方あたしは淡い紫色ベースのシンプルな浴衣。


お母さんが若い頃来ていたものらしい…。


こんな大人っぽい浴衣あたしには似合わないよ…!


なのに叶愛ちゃんは



「そんな事ないって!心音は自分の可愛さを分かってないんだからぁ」



なんて言ってる。