【心音side】
「心音!わりぃ、こっちの看板も空き教室に持ってってくんね?」
「うん、分かった」
文化祭も無事終わり…。
教室まで送り届けてくれた優空くんと分かれ、クラスの片付けを手伝っていた。
って言ってもまだ校舎の外にはお客さんはいるんだけど…。
とりあえず校舎の方はもう立ち入り禁止になったから先に片付けておこうってわけで。
集まった人から片付けを開始してる。
真人に渡された看板を空き教室に持って行きながら振り返る今日の文化祭。
────あたし、色々言い過ぎちゃったかも…?!
そればかりか西宮先輩には抱きしめられちゃったし…。
本当濃い1日だった…。
けど、悪いことばかりじゃなかったな…。
少しずつ皆の事を知れた1日でもあったし。
やっぱりどんな人でも悩みがあるんだなって、思った。
「あ、心音いた。歩結さーん、いました」
空き教室に看板を持っていった帰り、目の前には先程別れたばかりの優空くんがいた。
「優空くん?」
「あー、何か来てって。歩結さんが」
「成田先輩が?」
「うん」
やや混乱気味でどうしようかと思っていると。
「あ、心音ちゃん!今忙しいかな?」
先輩が姿を現した。
「あ、いえ。もう少しで片付け終わりますけど…」
「ならよかった。後夜祭にはちょっと早いけどさ、もう外に出ない?」
なんだ、そういう事か…。
「はい。大丈夫です。でも…その前に一応玲弥たち…クラスメートに声をかけてからでもいいですか?」
「あ、そうだよね。大丈夫だよ。俺達も行こう、優空」
「分かりました」
こうして何故か3人で教室に戻ることに。