「…………やっぱり、変だ」
俺は自分を偽って生きてきて、上辺だけの友情をひたすら作り続けていて。
その反面、それをどこか寂しいと思っていた。
だけどその寂しさを持っていく所がなくて、結局諦めてたのに。
何も知らない転校してきた女にそれを見破られた挙句、無理しなくていいなんて言われるとか。
やっぱり心音は変わってる。
こんな女、今までに1度も会ったことがなかった。
皆結局裏があって、そーゆーもんなんだって決めつけてた。
けど……
────────違ったんだな。
「優空くん…?」
「…はぁー、負けたよ。お前の言う通りかもしれねぇな…。ただ1つだけ。何でお前は俺にここまでしてくれんの?別に放っておいたっていいはずの俺に」
俺の質問に一瞬たじろぐ心音。
「そ、それは…優空くんが大事な友達、だからでしょうか…?」
「……そっか」
「はい……」
恒太や奏夢や湊叶、先輩たち。
そして──────心音。
俺にはもう、充分すぎるほど“友達”が周りにいた。
特別には感じてたけど、今ひとつ距離を縮めきれなくて…その答えをこいつは俺に教えてくれた。
普段はおどおどしてるくせに喋り出したら止まんねぇ変な奴だけど…今回ばかりは変なこいつに感謝、かな。
ただ───────
「…けど。お前にはどっちかっつーと友達より彼女になってくれた方が俺も嬉しいけど?」
悔しいけど、俺には心音しかいない。
俺が心から安心できる一番の場所になってほしい。そう思ったから。
「優空くん。冗談はダメですよ…!」
冗談…ね。まあ、いいや。
また今度改めて言うことにするよ。
もちろん………
「……じゃ、そろそろ行こう。後夜祭もあるし、お前のクラスも片付けあるだろ?」
「えっ…もうそんな時間…。そうですね、戻りましょう」
その時は冗談なんて言わせねぇからな。
───────心音。



