言い終わったあと、何か冷たいものが自分の頬を伝った。
モデルなんて、皆が思ってるほどキラキラしたものじゃねーよ。
けどそんなの理解してくれる奴なんていなかったし、ましてや俺の心の奥底の思いに気づく奴がいるはずもなかった。
だから思っても無駄だって自分に言い聞かせてきたのに。
何でお前は─────────
「言いません。いや、言えませんよ…。優空くんが自分を偽ってまで仕事を続けた理由がそこに全部詰まってるじゃないですか。そうやって優空くんが頑張ってきたものをバラすなんて事、あたしには出来ません…。……優空くんはいつもそうやって自分に言い聞かせて自分を奮い立たせてきたんですか…?寂しい心にも嘘をついて」
何で今まで誰も気づきもしなかった事に気づくんだよ…。
気づくはずのなかったことに。
「……あたしは、今までの生活を変えろなんて言いません。優空くんは優空くんのままでいいと思います。ただ…優空くんが心から落ち着ける場所を大事にして欲しいんです。優空くんもきっと…気づいてるはずですから。気づかないうちに出来ていた本当の友達や仲間の存在に…」
その言葉で頭に浮かぶのは恒太や奏夢たちの顔。
「優空くんは頑張り屋さんです。でも…たまには息抜きも大事ですよ…。もちろん、友達が多いに越した事はないです。だけどそんなに無理して作らなくてもいいんですよ。今まではいなかったかもしれないけど、今はちゃんと優空くん自身を見てくれてる人がいるんじゃないですか?……優空くん」
心音のその言葉で、何か俺の中でつっかえていたものがすーっと消えていくような感じがした。



