「ふふ。それならよかったです」
「笑わないでよー!」
自分のサインを持ってるなんてやっぱり優空くんはすごいんだな…。
優空くんのサインを指でなぞりながら歩いていると、急に視界が開けて青空が見えた。
「はぁ~、やっと外だー!どこから回る──────」
のも一瞬。
青空どころか優空くんの姿もすぐに見えなくなってしまった。
「ユウじゃない?!?!」
「ここだとは聞いてたけど……」
「「「────実物かっこよすぎる!!!!」」」
それは言わずもがな…優空くんのファンらしき人たちのせい。
何だかデジャブ…。
今日を振り返って思う。
あたしは本当にすごい人たちと一緒にいるんだな…って。
翔斗先輩や優空くんはもちろん、他の4人も何が独特の空気やオーラを放ってる。
なんて言ったってみんなイケメンさんだし…、女の子がほっとくはずないよね…。
そんなことを思いながら、呆然とただその波に流されていると………
「………あれ…?」
ふと気づいた時には辺りがシーンとしていて、訳の分からない場所に立っていた。
落ち着いて…あたし。
声の聞こえる方に向かえば戻れる…はず。