けど…心を許すな。
簡単に寄り添うな。
信用したくなるから。
せっかくおれになったんだから…。
早く…早く忘れさせてくれよ…。
もう2度と同じことを繰り返したくない。
忘れたいんだ…………!
「────────んぱい!」
「…み、心音ちゃん」
「すいません…ついてきてもらえませんか」
「え?」
その後何も言わず歩き出した心音ちゃんに俺は大人しくついていった。
心音ちゃんの今までにない雰囲気を感じながら。
ついていった先は…
人通りのない、人気のない校舎の裏庭。
ここ、こんなに静かだったんだっけ。
そう思わせるくらいの静けさだった。
いや、違うか。
おれを見失ったからそういう風に感じるだけかな。
心音ちゃんって本当何なんだろう。
キミと出会った時に気づくべきだったんだ。
優空が倒れた時に危ないって思ったはずなのに。
「先輩…急に連れてきてすいません」
心音ちゃんの前でおれはもう崩れ始めてるんじゃないか。
そう感じる場面は最近よくあった。
それは…俺が出てきているのを感じてしまったから。
「大丈夫だよ~。…どうした?」
それでも俺は必死におれを演じた。
どうしてもバレるわけにはいかなかった。
だってバレたら…全て水の泡。
冴えないあの自分に逆戻り。
誰にも愛されず、自分の見てくれだけを見ている人をみてまた傷つくんだ。
そんなの………嫌に決まってる。



