黙って俺のモノになれ【上】



「綿菓子ついてた。ご馳走様~」



驚いて横を見ると翔斗先輩のドアップがあった。



「な、なな、何してるんですか…!」



「いや~、ずっと気になってたんだよね」



そんな…。


急にされると心臓止まりそうになるよ…。


普通に口で言うか、手で取ってくれればいいのに………。



「ごめんね~。どさくさに紛れてキスしちゃって!」



こんな事したら周りの人達が─────



「「「きゃー!!!!」」」



「翔斗くんが…!」



「「あの子にキスした~~~っ…………」」



「「「─────それなら私も!!!」」」



────そうなりますよね…。


それから先輩の姿が見えなくなるのに時間はかからなくて。


気づけばまた大きな人だかりが出来ていた。


……こうなったら数分じゃ動き出せない。


どうしよう………………。



「あ、心音ここにいた!!」



その時運良く汐梨(シオリ)ちゃんが現れた。



「あっ、汐梨ちゃん。来てくれたんだね…!」



「当たり前でしょ!桜河ちょっと気になってたし(笑)」



「ありがとう。嬉しい…」



「まぁでも何とか上手くやれてるみたいだね。心音見れば分かるよ」



優しく微笑む汐梨ちゃん。


きっと…心配してくれてたんだろうな…。


あたしが男の人苦手なこと、知ってるから。



「うん…心配ありがとう。自分でもびっくりなんだけど、思ったより楽しくやれてるよ」



「よかった。それでね、今日は…」



「汐梨!ちょっとー。うちらおいてかないでよね!」



「急に消えたからどこに行ったのかと思ったよ」