言うが早いがすぐに翔斗先輩は綿菓子をとってくる。



「え、あの、先輩。お会計は…?」



「いーのいーの。おれの店だから気にしないで~」



それでいいのかな…。


でも先輩のクラスの人たちは呆れつつも笑顔で先輩を見送ってたし…。


大丈夫ってことでいいのかなぁ…?



「分かりました。すいません…」



先輩のクラスの人たちに申し訳なさを感じながらもありがたく綿菓子を頂くことにした。














その後。


行く宛もなく歩き続けるあたしと翔斗先輩。


あたしはもちろん、この様子じゃ先輩も絶対に行き先なんて決めてないだろうな…。


それよりも…



「みてー!あれ、噂の翔斗くんじゃない?」



「本当だ!って、今こっちに手振ってくれた?」



「嬉しすぎてテンションあがるんだけどー!!!」



ファンサービス?に必死みたい…。


尊敬…はしたくないけど、本当毎日すごいなぁ…。


さっきから周りの女性の視線がビシビシと痛いです…。


ごめんなさい皆さん…。


こんな翔斗先輩でも、いるのといないのでは雲泥の差だから…。


心の中で必死に謝りながら、たくさんの視線から目を背けた。



「心音ちゃん??」



「…はい」



「ど~する?今から」



「んー…、翔斗先輩は行きたいところないんですか?」



「ないかも~。……あ、ちょっと着いてきてよ」