「あのさ~皆。ごめんね、おれ今からこの子と大事な用があるんだ。だからまた後でっ」



何かと思えばすぐに先輩はあたしのとこまで戻ってきてあたしの肩を抱き寄せた。


その行動に女の人たちはもちろん…



「………え!?翔斗先輩何言って…」



「いいから、今はじっとしてて」



あたしも唖然。


だけど、先輩には何やら策略があるみたいで…。


少し抵抗はあったもののじっとしている事にした。


すると……………



「なんだつまんなぁい!次行こ~」



「私らも行こーよ。彼女、いるみたいだし」



「翔斗く~ん。他の子を好きでも私は愛してるから~!」



みるみるうちに女の人は減っていった。







「……ほらね。こうなるから」



その様子をみて先輩はポツリとそう呟いた。



「…先輩?」



その先輩のただならぬ様子に驚いて声をかけるも



「ん~?どした?心音ちゃん」



その後は変わらずいつもの翔斗先輩で。


最近こういう事が多いな…なんて少し思ったりもした。


その違和感の正体には気づかずに。



「いえ…」



「そ。じゃあしゅっぱ~つ」



こうして翔斗先輩との時間は無事?始まった。














☆*☆*☆*☆*☆














「心音ちゃんさ~、どこか行きたいところある?」



そう聞かれたあたしは迷わず



「あの……行きたいところというか…。綿菓子、食べたいなーって…」



そう言った。


今まで言わなかったけど、あたしはだいがつくほど綿菓子が好きなんです…。


小さい頃からお祭りごとがあると必ず綿菓子は食べてきたから…。



「綿菓子?りょ~かい」