黙って俺のモノになれ【上】



一輝くんと笑いあって過ごした日々。


助けてくれた時の凛々しい表情。






色んな楽しい場所に連れていってくれたお父さん。






どれもあたしにはかけがえのない、大切な思い出だから…。








「…壊したく、なかった…………っ」



泣きじゃくるあたしの頭を、先輩は何も言わず優しく撫で続けていてくれた。



「もう、無理しないでいいよ。今度からは…俺が守るから。何があっても守るから…。辛い時に傍にいてあげられなくてごめん。ごめんね…心音ちゃん」



本当あたし、いつからこんなに男の人を信用できるようになったんだろう。


男の人を怖いと思わなくなったのはいつから…?


何も分からないけどはっきりしてるのは…


彼らのおかげで克服できたっていうこと。


いつの間にかあたしは










──────男の子が嫌じゃなくなってたんだ。












「先輩…ありがとうございます…っ」



「大丈夫。心音ちゃんは前に進めてるよ」



「……はいっ」



そして、あたしの涙がおさまると今度こそステージのあるところへ向かって歩き始めた。


さっきよりもどこか、スッキリした気持ちをしっかりと感じて。