一輝くんと笑いあって過ごした日々。
助けてくれた時の凛々しい表情。
色んな楽しい場所に連れていってくれたお父さん。
どれもあたしにはかけがえのない、大切な思い出だから…。
「…壊したく、なかった…………っ」
泣きじゃくるあたしの頭を、先輩は何も言わず優しく撫で続けていてくれた。
「もう、無理しないでいいよ。今度からは…俺が守るから。何があっても守るから…。辛い時に傍にいてあげられなくてごめん。ごめんね…心音ちゃん」
本当あたし、いつからこんなに男の人を信用できるようになったんだろう。
男の人を怖いと思わなくなったのはいつから…?
何も分からないけどはっきりしてるのは…
彼らのおかげで克服できたっていうこと。
いつの間にかあたしは
──────男の子が嫌じゃなくなってたんだ。
「先輩…ありがとうございます…っ」
「大丈夫。心音ちゃんは前に進めてるよ」
「……はいっ」
そして、あたしの涙がおさまると今度こそステージのあるところへ向かって歩き始めた。
さっきよりもどこか、スッキリした気持ちをしっかりと感じて。



