「…………え。心音ちゃん?別に無理しなくても………」
「いいえ。話させてくれませんか…?聞いてほしいんです。どうしてあたしがこうなったのか…。だって本当は…気づいてますよね…?あたしが、男の子を苦手なこと。だから…お願いします…………」
「わ、分かった。心音ちゃんがそう言うなら…お願いするよ。ここじゃ目立つから場所を変えよう」
そのままあたしたちは空き教室に向かった。
☆*☆*☆*☆*☆
「ここで、大丈夫?」
「はい…」
「…………で。何があったのか…聞いてもいい?」
「はい…。本当にしょうもない事なんですけど。あたしが男の子が嫌いになった決定的な原因は中学生の時の事でした────────」
文化祭なのに人気のない、特進科校舎の空き教室に2人並んで座る。
そんな静かな空気の中、あたしはあの出来事を一つずつ、丁寧に言葉にした。
「─────と言うことなんです…。つまらない理由ですみませ─────」
「全然つまらなくなんかないよ。むしろ、思い出させてごめん…。怖かったよね、辛かったよね。信じたかったよね…彼らを」
気づけばまた、先輩の腕の中にいた。
今日は…よくこうされるな…。
なんて思いながら今日2度目の涙を流した。
一輝(イツキ)くん……………。
お父さん……………。
あたしは…、あなたたちを…。
─────────信じてた。
だからこんなにも辛くて…忘れられない。
いっそのこと悪い思い出だけが残っていれば、忘れられたのかな…?
だけど、そう簡単には忘れさせてくれなくて。
思い出す度に楽しかった思い出の方が、鮮明に浮かんでくる。



