【心音side】
「ごめん!心音ちゃん。待たせて」
「全然大丈夫ですよ…。西宮先輩は大丈夫でしたか?」
「…あー、うん。平気だよ。じゃ行こうか」
「はいっ」
こうして西宮先輩とバトンタッチした成田先輩と歩みを進めた。
「心音ちゃんさ、見てないとこある?」
歩き出して数秒。
成田先輩にそう聞かれたけど…
「実は……もうほとんど…」
そう、ほとんど見てしまってるんだよね…。
せっかく聞いてくれたのに申し訳ない……。
「だよね。そうだと思った」
「すいません………」
「気にすることないよ!じゃーさ、ステージの方行ってみない?何かやってるかもだし」
ステージ、か。
それならまだ行ってないし、何だか面白そうだな…。
「賛成ですっ…!」
「よかった。じゃ早速行こう!」
そう言いながら歩幅を合わせてくれる先輩。
やっぱり先輩は優しさで溢れたような人だな…。
1番安心できる人かもしれないです…。
「ところで心音ちゃんはさ、その…今までに好きな人っていたことある?」