「あ、その、中身は1人の時に見てもらってもいいですか…?恥ずかしいので…」
俺は早速開けようとした手を止め、ポケットの中にしまいこんだ。
「わかった。そうする」
「ありがとうございます…!」
「楓も来てたのか。ごめんね、待ったかな?心音ちゃん」
そうこうしていると部屋から歩結が出てきた。
「あ、成田先輩…!」
「じゃ、俺は行くよ。これ、大事にする」
包装紙を掲げ、柊にそう告げる。
そのまま立ち去ろうとした俺は1度振り返り、歩結の元へ向かった。
「ん?どした、楓?」
「…ちょっと話がある。柊、少し待っててくれないか?」
「あたしは全然大丈夫ですよ」
「悪いな。少し歩結を借りる」
「は、はい……」
柊の了承を得た俺は静かな渡り廊下に歩結を連れていった。
「何の話?」
「それが、すぐ済むんだが…。訳も分からずモヤモヤしたり、ムッとしたり、穏やかになったり、温かくなったりするこの気持ちは何なんだろう、と思ってな」
なるほど、とでも言いたげな歩結は
「それって、心音ちゃんといる時にしか起こらない感情?」
そう冷静に言ってのけた。
答えは分かりきっている、とでも言うように。
「…思い返せばそうかもしれねーな」
「それ、さ。楓は心音ちゃんに恋しちゃったんじゃないのかな。その感情を人は恋って呼ぶんだ」
「…恋…?俺が?柊にか?」



