黙って俺のモノになれ【上】



「あ、その、中身は1人の時に見てもらってもいいですか…?恥ずかしいので…」



俺は早速開けようとした手を止め、ポケットの中にしまいこんだ。



「わかった。そうする」



「ありがとうございます…!」












「楓も来てたのか。ごめんね、待ったかな?心音ちゃん」



そうこうしていると部屋から歩結が出てきた。



「あ、成田先輩…!」



「じゃ、俺は行くよ。これ、大事にする」



包装紙を掲げ、柊にそう告げる。


そのまま立ち去ろうとした俺は1度振り返り、歩結の元へ向かった。



「ん?どした、楓?」



「…ちょっと話がある。柊、少し待っててくれないか?」



「あたしは全然大丈夫ですよ」



「悪いな。少し歩結を借りる」



「は、はい……」



柊の了承を得た俺は静かな渡り廊下に歩結を連れていった。



「何の話?」



「それが、すぐ済むんだが…。訳も分からずモヤモヤしたり、ムッとしたり、穏やかになったり、温かくなったりするこの気持ちは何なんだろう、と思ってな」



なるほど、とでも言いたげな歩結は



「それって、心音ちゃんといる時にしか起こらない感情?」



そう冷静に言ってのけた。


答えは分かりきっている、とでも言うように。



「…思い返せばそうかもしれねーな」



「それ、さ。楓は心音ちゃんに恋しちゃったんじゃないのかな。その感情を人は恋って呼ぶんだ」



「…恋…?俺が?柊にか?」