黙って俺のモノになれ【上】



確か……5歳の時、だったかなぁ…。






────『だって、あたしがわがままいうと、みんなこまっちゃうから…』






────『ずっとそんな事考えてたのか?いい子だな、心音は。でも本当はずっと行きたいとこ、あるよな?』







あれからは結局お母さんに行きたいと言うこともできないし、だからといってあの場所に一人で行く勇気もでなくて…。


今でもあたしには文化祭とかでやってる縁日に行くことが精一杯。






────『う…うん。あたしね、“おまつり”いきたい……』







お祭り、楽しかったな。


あの日は一生忘れることの出来ない大切な…思い出。






────『よし。じゃあ行くか、今から!』







…ねぇ、あたしたちじゃだめだったのかな…?


楽しく過ごせなかった…?


あたしは…すっごく楽しくて。


……………………大好きだった。


…ううん。


ひどいし、最低だけど…。


悔しいくらい今も大好きだよ…。


今、どこで何をしているの?


ねぇ、どうして………………?







────『………うん!ありがとう!─────────』











─────────お父さん。















「───らぎ。柊?」



「…あ、すいませ────────」



あたしが謝るより先に強く腕をひかれ、気づけば人気の少ない階段の踊り場まで来ていた。