黙って俺のモノになれ【上】








写真館や迷路、動画の上映会、マジック、縁日、レストラン、喫茶店。


それから…………お化け屋敷。










『──────お前いいやつだな…』



あたしはお化け屋敷を見るだけで勝手に浮かんでくる朝霧くんの笑顔を必死で振り払った。








「あの…ここはどうですか?」



そしてそんなたくさんのお店の中であたしが選んだのは、



「俺はいいけど…お前がここを選ぶのは意外だな」



縁日。


やっぱり意外だよね…。



「ありがとうございます。縁日には…少し思い入れがあって」



お祭り気分を味わえる縁日。


小さい頃から引っ込み思案だったあたしはお祭りに一緒に行くような仲のいい友達もいなくて。


ずっと憧れの場所だった。


お祭り独特の楽しくて明るい雰囲気。


そこに行けば自分自身も明るくなれる気がして…。


そんなお祭りに連れていってくれたのは、



「じゃ、入るか」



「はい…!」









────『どうしてしたい、やりたい、やってほしいって言わない?もっとわがままになってもいいんだぞ?…心音』






後にも先にも1回だけ。