まさか俺が母さん以外の女にこの笑顔を向ける時が来るとはな。
それを見たこいつは一瞬目を見開き、驚いた顔をしたが。
「…ありがとうございます」
そう言って何事もなく微笑んだ。
こーゆーとこも心音らしいな、
そんな事を思いがら俺は文化祭で賑わっている校舎まで戻った。
───もちろん、心音を連れて。
☆*☆*☆*☆*☆
その後は、特に何をすることなくブラブラしてたら時間が過ぎていった。
正直まだ全然物足りねぇけど、決まったもんはしゃーねぇな…。
つか…俺的には別にこのまま強引に一緒にいてもいいんだけど。
そーすると心音すげぇ困るだろーし。
今回はこいつに免じて引いてやるよ。
「この辺でいいのかよ?」
「たぶん…。すいません、ついてきてもらって」
「何謝ってんだよ。最後まで見届けんのはあたりめぇだろ」
とか何とか上手いように言ってっけど、俺がギリギリまで一緒にいてーだけか。
「ふふ。はい」
そして俺らがたどり着いて数分後には、次の担当が姿を現した。
「…悪い。待たせたか?」
「全然待ってねーっすよ。俺らも今来たとこなんで。……じゃ、頼みます楓さん」
そう言い、楓さんに心音を託した俺は2人に背を向け下駄箱にいるであろう響月のもとへ向かった。



