嫌がってるお化け屋敷に無理やり連れて入って、無理させて。
そう思うと何だか無性に心音が可愛く見えて。
───────………
気づいたら手を引っ張ってここまで来てたってわけか。
目の前でまだ乾ききってない目をこちらに向けながら俺の様子を伺ってる心音。
「…わりぃ、心音。お前が嫌がってたの分かってたのに無理やり連れて入っちまった」
急に申し訳なくなって謝れば、
「いえ…。嫌とはっきり言えなかったあたしのせいでもありますから…おあいこです。だから謝らないで下さい。それに…引っ張って行って下さってむしろありがとうございました…!」
ほら、今回だって俺が完全に悪いのにこうやってお礼までつけて返してくる。
やっぱ…適わねぇよ、こいつには。
「俺は何もしてねぇよ」
「いえ。それでもやっぱり助けてくれたことには変わりないですから…」
「……ったく、あたりめぇだろ。誰だと思ってんだ」
これ以上言ってもキリがねぇだろーし。
「ふふ。そうですね」
けど。
「けどやっぱ。────お前いいやつだな…」
これだけは言わせろよな。
そう思いながら、中学の頃に捨てた俺の本当の笑顔を心音に向けた。



