黙って俺のモノになれ【上】


とにかく、こいつは他の奴とは違うかもしんねぇ。


けど、まだ何も確証がねぇ。


俺はその確証を得るためにお化け屋敷に入ったんだ。


入る前の心音の顔。


あれは本気でお化け屋敷が嫌な顔だった。


けど、俺は強引に、確実に入れるように断ろうとしたあいつの言葉を



『俺、小さい頃から大好きなんだよ。お化け屋敷』



そう言って遮った。


本当はお化け屋敷なんか好きじゃねぇ。


むしろ……悲しい思い出があるから嫌いだ。


けど…そんなのを置いてでもこいつの本性を確かめたかった。


なんたって今までに会ったことねぇタイプだからな。














─────────………




確かに、強引に誘ったのは俺だけど。


こいつ、びびりすぎじゃねぇか?


さっきから焦点あってんのか?ってくらい足元はおぼつかねぇし、暑くもねぇのに汗かいてるし、顔面蒼白って感じだし。


まじヤベェんじゃねぇの?こいつ。


そう思って



『お前そんなこえーのかよ。俺のここ捕まっとけ』



そう腕を差し出すけど…。



『い、いえ…。だ、大丈夫、ですから…』



そう言って近寄ってこよーともしねぇ。


コノヤロー、なに強がってんだよ…。


大丈夫っつったって、隠しきれてねぇんだよ。


本当変な女だ。


…けど、これで確証は得た。


こいつはやっぱり他の女とは違う。


さっきのグラウンドで言ってた答えもきっと全部こいつの…心音の本心。


そう思うと、良い奴すぎて今自分がしてる事がガキっぽく見えてしょーがねぇ。


何やってんだよ、俺は……。