黙って俺のモノになれ【上】




「待ってください…!」



あたしは急いで朝霧くんの後を追いかけた。









「お、奏夢。来てくれたんだな。心音ちゃんもいらっしゃい!」



最初にたどり着いたのは歩結先輩のクラスのお店。



「オススメって何すか?」



「んーそうだなー…。やっぱり鉄板屋だし焼きそばとか間違いないと思うよ」



「じゃ、それで」



「りょーかい!心音ちゃんは?」



そう話をふられるけど…



「いえ、あたしは大丈夫です」



今日お金持ってくるの忘れたんだよね…あたし。



「そっか。じゃ、はい。一人前ね!ありがとう」



歩結先輩の元を離れ、次なる場所に移動を始める。



「何?お前金持ってきてねぇの?」



突然そう聞いてきた朝霧くんに



「あ、はい…。実は………」



隠す必要も無いのであたしは素直にそういった。



「馬鹿だな、おめぇは。しょーがねぇから俺が奢ってやるよ」



「あ、あの…お気持ちは嬉しいんですが大丈夫です」



奢ってくれる、と言ってくれた朝霧くんのお言葉を残念だと思いながらもお断りした。


だって。



「…それに、本当ならあたしが奢ってあげるべきなんです。いつもいつも面倒な護衛してくださって…」



そう思うから。


それにあたしは“奢る、奢られる”があまり好きではない。


もちろん頑なに断る、とまではいかないけど…。


やっぱり何度かは断る様にしてます…………。