【心音side】
桐沢くんたちと別れ、
愛実ちゃん、可愛かったなぁ…。
なんて考えながら廊下を歩くこと数分。
普通科校舎と総合学科の校舎をつなぐ渡り廊下にたどり着いた。
朝霧くんのクラスは廊下を渡ってすぐだから…あまり目立たない位置でよかった…。
そう思いながら朝霧くんのクラスを覗こうとした時。
「おせぇよ、のろま」
反対側の扉の前には既に朝霧くんの姿があった。
「あ、すみません……」
「まぁいい。行くぞ!」
「は、はい!」
☆*☆*☆*☆*☆
「いい匂い…………」
「あぁ、ちょうど昼飯時だし丁度いいだろ?」
「そうですね…!」
そんなこんなであたしたちがたどり着いたのはグラウンド。
先輩たちが出してるたくさんのお店。
本当、全部美味しそうです…。
…ちなみに、1年生は外の出し物は禁止。
こうやって外で食べ物を売れるのは2年生になってからみたいです。
「じゃ、まずは…」
そう言ってあたしを一瞥し歩いていく朝霧くん。
…………着いてこいってことだよね…。