俺が思った答え。あいつの笑顔。
頭を巡るのはそればかりで。
認めざるを得ないのに、どこか認めたくなくて。
結局、当番終了まで作業がはかどらなかった。
女が嫌いな俺が恋なんて
─────信じらんねーだろ。
☆*☆*☆*☆*☆
「────名前もかわいいね」
調理するのに身につけていた衣服を脱ぎ、桜河祭に来るっつってた愛実を迎えに行くために廊下を出ると、すぐに愛実の声が聞こえた。
何だよあいつ。
来てたのかよ…。
そう思いながらスマホを見るも愛実からの連絡は一つもない。
「愛実。お前来たなら連絡くらいしろよ」
愛実の話し相手が人だかりでよく見えないまま、俺はそう声をかけた。
つか、愛実は桜河に友達なんかいねーはず。
一体誰と話してんだよ…。
そんな事を思いながら少しずつ距離を縮める。
そして、やっとの事で愛実の隣に見えたのは
─────────あいつだった。
「あ、ごめん。心音ちゃんに早速会えてテンション上がっちゃって…!それより私が名乗る前に名前呼ばないでよー。自分で言いたかったのに!」
「んな事知らねーよ」
「湊叶くんのバカー!」