そこから先は、何がなんだかよく覚えてなくて。
『諦めよーぜ、駿』
気づいたら2人を追っ払ってた。
最後に去っていった男に
『…っつーか、彼氏じゃねー』
そう言った俺は女の方に体を向け、
『…お前もお前。帰った途端ナンパされてんじゃねーよ、めんどくせぇな』
そう言い放った。
けど───────────
『まぁでも、俺がこっちに用あった時でよかったんじゃねーの。中のヤツらは忙しすぎて気づかねぇだろーし』
こいつが謝ろうとした言葉に被せて、俺はまた俺らしくもねー言葉をあいつにぶつけた。
だってこいつの目が
───────すげぇ怯えてたから。
こいつが女だとかそーゆーのは関係なく…ただ、ほっとけなかったんだ。
考えれば
────こいつと話すのが嫌だと思わなかったのも。
────こうやって嫌いな女を助けるのも。
────無意識に意識してんのも。
『桐沢くん…っ!あの、ありがとうございました!』
満面の笑みを浮かべ、そう言うこいつ。
───────1つの答えに行きつくんじゃねーか。
そう思えば何だか妙にしっくりくる気がして。
あいつが受付に戻ってからも、俺は少しの間動き出す事が出来なかった。
───────………



