【湊叶side】
文化祭1日目。
当番終了まであと30分弱。
家庭科室でコーヒー入れたり…
単純作業を続けるも。
さっきのあいつの顔が頭から離れねぇ…。
何なんだよ。くそっ。
────今日も変わらず、交代制の護衛。
だるいのは、だるい。
…はずなのに前ほどめんどくさくねぇと思うのは何でだよ。
最近、“よく”とまではいかねーけど、あいつと会話をするようになった。
女なんて嫌いで…会話すんのも嫌なのに。
あいつと話すことに関しては全く嫌悪感がない。
最近の俺はおかしい。
自分でも分かるくらいに。
じゃねーと、あんな事するわけねぇんだ。
──────『こいつに何か用ですか』
あれはほとんど反射的に起こした行動だった。
誰も手があいてなくて、しょーがなく教室にモノを運んでた時に。
『───そ、それは出来ません……』
あいつが絡まれてたんだ。