黙って俺のモノになれ【上】



「あ、心音。ごめんな、予想外の繁盛でこっち間に合ってないんだ。だからさ、ちょっと手伝ってくんね?」



家庭科室に行くとすぐに工藤くんが近づいてきてそう言った。



「分かりました…!何をすればいいですか?」



「コーヒーとか入れて、そこの材料切っといてほしい。頼むな」



「分かりました」



あたしはメモに書いてある分のコップを用意し、全てのコップに同じ量だけさっとコーヒーを入れる。


そして次にサンドウィッチの材料であろう、トマトやレタスに手を伸ばし食べやすい大きさにカットした。


ここまでにかかった時間は


─────10分ちょっと。


いつも家では料理してたし、コーヒーはバイト先でよく入れてるし…。


なれてる作業でよかった…。


作業を終え、ほっと一息ついた時。



「「「…す、すげー…!!!!」」」



たくさんの視線を浴びていた事に気づいた。



「心音、お前すごいんだな。頼んで正解だったよ!な、湊叶」



「知らねーよ。俺はお前が呼べっつーから呼んだだけ」



工藤くんが桐沢くんに共感を求めるもいい返事はもらえず…。


と言うか、桐沢くんが褒めてくれるわけないよね…。



「ったく、湊叶はいちいち冷てぇな。ま、いいや。この調子で頑張ろうぜ、みんな」



「だな!」



「柊!ついでにこっちも頼む!」



「こっちもこっちもー!」



「わ、分かりました…!いっぺんには出来ないので順番でお願いします…!」







この後もあたしは一つずつ作業をしていき、気づけば接客もスムーズに出来るようになっていた。