黙って俺のモノになれ【上】


家も中2の頃引っ越してったし、今は前ほど頻繁に会ったりしねぇけど。



「あぁ、相変わらずだ。そっちの両親は?」



「こっちもかわらず元気だよ」



「ま、また近いうちに集まるだろ」



「それもそうだな。それより真人お前早く行かないと遅刻になる」



「うわ、それはまずい!行くぞ、春樹!じゃーな、湊叶!!」



「あぁ」



真人と春樹の姿はすぐに見えなくなった。


あいつらも……かわんねぇな。


たぶん、俺も変わってねぇんだろーな…。


特に何かが変わるような出来事もなかったし。


これからもきっとねぇだろうし。


俺には生まれた頃から“お父さん”と呼べる人がいない。


それに………親から与えられる“愛情”ってやつも、分からない。


けどそれで傷ついてきたわけでもねぇし、苛められてきたわけでもねぇ。



でも、だからかな。


同じように人への愛し方もわかんねぇ。


愛したいとも思わねぇ。


俺は、恋なんてものしたことがない。


けどめんどくせー男女のいざこざなんて望んでやりたいとも思わない。


ひねくれてるわけじゃねぇ。


これが生まれてきた頃からの俺なんだから。


だから、友達も必要最低限。


友情だって結局は“想いやり”。


そんなめんどくせー感情を色んな人に振りまけるほど、俺は人間できちゃいない。


女なんて、もっと面倒だ。