黙って俺のモノになれ【上】






たぶん俺、女嫌いってとこと冷たいってとこのけたら奏夢と似てんだよな…。


喋り方とか、口調とか?


自分でもそっくりだと思う。


けど、奏夢はああ見えて優しさもある。


俺にはそんなもんないけど。


だって、必要ねぇし。


……………けど、今日は確かに冷たすぎた。


いくら明日が嫌だからって、八つ当たりはねぇよな。



『それならいいけど…。根詰めすぎるなよ』



『すいません』



『別に謝らなくてもいいよ。湊叶はだいたいそんなかんじだし』



『それも言えてるっすね、歩結さん』



『奏夢はそうやってすぐ人を馬鹿にしない。だから優空と喧嘩になるんだ』



奏夢は黙ったまま帰る支度を始めだした。


どうせ何も言い返せなくなったから、とかそんな理由だろう。


プライド高いからな、奏夢。


──────────けど。



『おい奏夢。お前自分から残っとけって言っておいて自分は颯爽と帰んのかよ』



そこだけは譲れず、珍しく俺は口を挟んだ。



『……ったく。そんなわけねぇだろ!』



奏夢はそう言いながら、元いた位置に戻る。


本当、めんどくせーやつ。



『湊叶って本当たまーに喋り出すよね。基本喋らねぇのに』



お前らが話してる内容がくだらねーからだよ。


とはさすがに言えねぇ。


先輩もいるし。


俺、こんなだけど一応上下関係とかそーゆー礼儀はきちんとしたい方。


だから、けじめはそれなりにある。



『ただの気まぐれだから』



『とか言って、俺湊叶の笑った顔結構好きだけどな。滅多に見れねーけど』



『なに気持ちわりぃこと言ってんだよ。別にお前に好かれたくて笑ってるわけじゃねぇ』



『そんな事分かってる』



『けどおれも~、湊叶は笑えばもてるとおもうよぉ?』



『俺、もてるとかそーゆーの興味無いんで。それじゃそろそろ失礼しますね』



いうが早いが俺は立ち上がって扉へ向かった。