【湊叶side】
………ちっ。
めんどくせー……。
なんで俺までやらなきゃなんねーんだよ。
昨日の夜も…………
───────………
『へぇ。湊叶が自主的に来るなんて珍しいこともあるんだな』
今日の集い場所…もとい歩結さんの部屋に入ると、早速奏夢にそう言われた。
……つーか、俺がいかなくてもお前らくるじゃねぇかよ。
だから、俺にとっちゃどっちだって一緒。
『………別に』
そんな俺の気持ちは口にせず、1番害のなさそうな歩結さんの隣に腰かけた。
『じゃ、全員揃ったとこでゲームでもする~?』
決まって口にするのは翔斗さん。
この人もクセあんだよなー…。
優空は裏表ありすぎだし。
奏夢は傲慢で我侭すぎる。
『ゲームって…。何の?』
『歩結には秘密だよ~』
『いや、なんで歩結さんにだけ秘密なんすか?』
『なんとなく~』
『俺、なんとなくで秘密にされたのか…』
『歩結さん。翔斗さんのこれは今に始まったことじゃないですし、まともに聞くだけ損ですよ』
『優空~、それ悪口だよねぇ?』
『え、そんなつもりないですけど』
『優空…』
集まるようになってからは毎夜賑やか。
最初はすっげぇ迷惑極まりなかったのに…
いつの間にかその迷惑な集まりもいいと思えてくるんだよな………。
こんなもんに慣れるとか………
最悪以上のなにものでもねぇ。
俺は馴れ合いなんて好きじゃねぇし、
正直、友達とかも興味ねぇ。
勿論……………………
彼女なんてもってのほか。
女なんてくだんねー。
かと言って、優空や奏夢みたいに過去に何かあったわけでもない。
そう、俺はただの女嫌いなだけ。