黙って俺のモノになれ【上】


だって…


真人くんと春樹くんっていう新しい友達も出来たし、クラスメートとも体育を通して話すことが出来た。


あたし、成長出来てる気がするよ…。



「心音、ほら。ジュースあげる」



「慧くん…!ありがとう。いくらだった?」



「こんなもんで金なんてとらないって!女の子は素直に奢られてればいいんだよ」



「うん……ありがとう!」



「どういたしまして~!」



「慧ー。ずるい!俺のは?」



「お前達は自分で買えよー」



「ちっ。慧のけーち!」



「うるさい!」



こうして忙しかった今日は賑やかに終わったのだった。







☆*☆*☆*☆*☆







皆が帰って静かになった教室。


その中で1人、桐沢くんを待つ。


もしかしたら来てくれるかもしれない、


そんなかすかな希望をもって。






───────だけど。


桐沢くんを待って30分。


全く来る気配がないどころか………


人の気配すらなくなってきました…。


今日はどっちみちバイトの日だし…。


1人で帰ろうかどうしようか悩んでいると、廊下から言い合いをする2人の声が聞こえてきた。



「今日お前だろって言ってんだよ!」



「あぁ。だったら何?」



「いけよ」



「だから…だりーんだよ。俺は女に興味なんてねぇ。やるなら勝手にやれ」



「そーゆー訳にもいかねぇだろ?決まったからには責任持てよ!」



1人は間違いなく桐沢くん。


なんだけど………………


もう一人の声に心当たりがない。


でも、当番のことを知ってるのは寮のメンバーしかいない………。


一体誰なんでしょう……?


あたしはいてもたってもいられず、廊下に出てみることにした。


するとそこにいたのは


桐沢くんと─────────優空くん。


…で、でも優空くんはあんな声じゃないし…そもそもあんな喋り方しないはず…。