黙って俺のモノになれ【上】



のろま………。


確かに前、車から遠ざけてくれたのはすごく助かりましたけど…。


あたし朝霧くんが思ってるほどのろまではないですよ……。


それに友達だっています。


さすがにこの環境で1人は辛いですから…。



「心音ちゃんはのろまなんかじゃない。しっかりしてるよ?」



そんなあたしの気持ちを代弁してくれたのはもちろん玲弥くん。



「いや、見た目の問題じゃねぇよ。なんつーか、性格の問題?なんかのろまなんだよな」



「確かにそれは否定出来ない……」



玲弥くんの優しさをいとも簡単に否定する朝霧くんに加え、更にはそれに賛同する慧くん。


そこは否定してよ………。



「奏夢~。久しぶりだなぁ」



「久しぶり。お前も心音と仲良かったのか」



こっちは完全にスルーだし……………。



「俺と真人はさっき初めて話したけど」



「そうなのか?めちゃくちゃ仲良さそうに見えたし」



こちらもスルー……………。


あたしって今日初めて話した人にも言われるほどのろまなの…?


もしかして否定しちゃいけない…?


え……あたし……………。



「心音ちゃん。気にしない方がいいよ。心音ちゃんはのろまなんかじゃないからね?」



あなただけです、そんな風に否定してくれるのは………。



「玲弥くん…ありがとう……」



「全然、本当の事だから。ほら、慧たちも。早く行くよ」



その言葉に慧くんたちはしぶしぶ朝霧くんに別れをつげる。



「奏夢ー。また会おうな………」



「また遊びに行こうぜ、奏夢!」



「じゃ、またな」



「おう、またな」



朝霧くんって結構好かれるんだな…。


思ったより友達多いし、なんだか意外です。


別れの言葉をつげる皆を見ながらそんな事を思っていた時。



「そいやー心音。近々部屋行くから」



朝霧くんの急な発言を理解することが出来なかった。


………………え、あたし…?



「お前だ、心音」



「え、なんで部屋なんですか…?」



「まぁ今は知らなくていい。とりあえずそーいう事だ。じゃーな」



なんと曖昧な……。


本当なんでいつも急なんでしょうか、朝霧くんは………。