のろま………。
確かに前、車から遠ざけてくれたのはすごく助かりましたけど…。
あたし朝霧くんが思ってるほどのろまではないですよ……。
それに友達だっています。
さすがにこの環境で1人は辛いですから…。
「心音ちゃんはのろまなんかじゃない。しっかりしてるよ?」
そんなあたしの気持ちを代弁してくれたのはもちろん玲弥くん。
「いや、見た目の問題じゃねぇよ。なんつーか、性格の問題?なんかのろまなんだよな」
「確かにそれは否定出来ない……」
玲弥くんの優しさをいとも簡単に否定する朝霧くんに加え、更にはそれに賛同する慧くん。
そこは否定してよ………。
「奏夢~。久しぶりだなぁ」
「久しぶり。お前も心音と仲良かったのか」
こっちは完全にスルーだし……………。
「俺と真人はさっき初めて話したけど」
「そうなのか?めちゃくちゃ仲良さそうに見えたし」
こちらもスルー……………。
あたしって今日初めて話した人にも言われるほどのろまなの…?
もしかして否定しちゃいけない…?
え……あたし……………。
「心音ちゃん。気にしない方がいいよ。心音ちゃんはのろまなんかじゃないからね?」
あなただけです、そんな風に否定してくれるのは………。
「玲弥くん…ありがとう……」
「全然、本当の事だから。ほら、慧たちも。早く行くよ」
その言葉に慧くんたちはしぶしぶ朝霧くんに別れをつげる。
「奏夢ー。また会おうな………」
「また遊びに行こうぜ、奏夢!」
「じゃ、またな」
「おう、またな」
朝霧くんって結構好かれるんだな…。
思ったより友達多いし、なんだか意外です。
別れの言葉をつげる皆を見ながらそんな事を思っていた時。
「そいやー心音。近々部屋行くから」
朝霧くんの急な発言を理解することが出来なかった。
………………え、あたし…?
「お前だ、心音」
「え、なんで部屋なんですか…?」
「まぁ今は知らなくていい。とりあえずそーいう事だ。じゃーな」
なんと曖昧な……。
本当なんでいつも急なんでしょうか、朝霧くんは………。



