黙って俺のモノになれ【上】


玲弥くんはどんな状況でも落ち着いていてかっこいいな…。


あたしは無意識にそんな事を考えていた。



「……心音ちゃん?」



「あっ、ごめん…。ピアノは少しだけやった事があるよ」



「とか言って、かえるのうたとかしか弾けなかったら怒るからな!心音!」



玲弥くんの質問に答えると、慧くんがそれに対して茶々を入れる。


これがあたしたちのいつもの光景。


ただ…今日はこれに2人加わったから…。



「いや、それは失礼すぎるだろ。ちゃんと弾けるよな、柊!でも…慧の言う通りだったらそれはそれで面白ぇな!」



「お前ら。何でもいいけど、1回落ち着いてくんない?」



いつもの倍くらい賑やか度が増したかな…?


でも、こんな日常もまた悪くないなって思う。


楽しいことには変わりないから。








☆*☆*☆*☆*☆








そして、楽しかった音楽の授業も終わり午前最後の4時間目は情報。


音楽の流れで真人くんと春樹くんも一緒に移動することになった。



「あ~疲れたー」



「慧!お前ピアノ下手くそすぎんだよ!」



「うるさいよ。真人だって人のこと言えないだろ?」



「2人とも落ち着いて」



「はぁ、玲弥はいいよな。ピアノも勉強も出来て」



「本当。ま、俺も慧よりは出来っから」



「真人に言われたくないね」



「だから、落ち着いてって」



「…ちょっとは静かにして。うるさい人ばっかだな、ここは」



移動中も会話が途切れる事はなく、コンピュータ室がある校舎にたどり着いた時。



「あ、心音じゃん」



朝霧くんに出会った。


そうか…ここは総合学科の校舎だ。


朝霧くんがいてもおかしくない。



「あ、朝霧くん…。昨日ぶり、ですね」



「そうだな。優空もなんとか回復したみてぇだし。それよりお前、もうそんな友達出来たのか。よかったなぁ、のろまのそばには誰かいてやらねぇと危ねぇしな」