前からそう呼ばれてたんだっけ…?
何か分かんなくなっちゃった。
ま、呼び方なんてなんでもいいか…!
「成田先輩…。お久しぶりですね…」
「久しぶり。ってかごめん、俺今心音ちゃんって言った?」
あ、やっぱり呼び方違ったんだ…。
「あ、はい…。でもさっきので大丈夫ですよ」
「本当にごめん!でもそう言うなら…遠慮なく呼ばさせてもらうよ」
「……はい」
「引き止めちゃってごめん。キミ達もごめんね」
玲弥くんたちにもそう謝る成田先輩は、やっぱり優しくて…。
あー、いい人だなって改めて思った。
「全然時間あるんで大丈夫ですよ」
「歩結先輩…ですよね?俺、密かに憧れてたんです!」
成田先輩に返事を返す玲弥くんと、目をキラキラさせて成田先輩に言う慧くん。
「俺は歩結、だけどそんなに憧れられる人じゃないよ」
少し苦笑いで慧くんと話す成田先輩。
「そんな事ないです!俺、溝口慧っていいます。よろしくお願いします!」
「慧くん、ね。俺はって…言わなくてもわかるか(笑)そっちの彼は?」
「俺は中込玲弥です。お話出来て光栄です」
「玲弥くんと慧くん。おっけー、覚えとく。じゃ俺そろそろ行くね!心音ちゃんもまた」
あたしたちに背を向け自分の教室に帰っていく先輩。
その背中に
「はい、また…!」
あたしは先輩に届くできるだけ大きな声で、そう言った。



