だけど1回揺れ動いた動揺を隠すなんて出来るはずもなく、俺はいつもの“おれ”を取り戻せないまま、優空の手当てを手伝った。
気づかれてないかな…。
そんな不安にさらされながら。
それから少しして、保健の先生がやってきた。
応急処置を受けて、保健室へ連れていく。
優空を横にならせたところで優空は心音ちゃんに向かって口を開いた。
「心音ちゃん」
「……はい…」
「僕の、体調が悪いって…どうして分かったの?………ちゃんと、隠せてるって…思ってたんだけど………」
「それは…いつもと様子が違ったから…」
「それだけ…?ははっ。すごいね…心音ちゃんは…。でも、ありがとう。心音ちゃんのおかげで…倒れなくてすんだ」
心音ちゃん…キミはすごいね。
俺も気づかなかった。
優空の少しの変化なんて。
「………それに、翔斗さんの…“顔”、久しぶりに見れたから、よかっ……た………」
………………油断した。
こいつは俺の過去を知ってるんだった。
中学一緒だもんな…。
弱ってる優空なんて何口走るか分かんない。
ここは早く退散した方がよさそうだな。
「ほら、優空も寝たみたいだし、おれらも戻ろ~?」
そう言って半ば無理やり、奏夢と心音ちゃんを連れ出した。
「じゃ~ね、奏夢と心音ちゃん。また放課後迎えに行くからね~」
「………………はい」
「じゃ」
心音ちゃん……。
この子も俺の候補の1人だったけど……。
気をつけた方がいいかもしれない。
いつか本当の俺を暴かれそうで…。
それに、男の子苦手っぽいし。
きっと、この子も…何かあるんだろうな。
「またね~。心音ちゃん」
「ありがとう、ございました…」
心音ちゃんが部屋に入ったのを確認して。
「さぁ~、おれも遊びにいこ~っと」
いつもと同じ。
女の子と遊びに行く。
まぁ、おれにはこの生活が1番あってる!
…………よな?
とにかく、心音ちゃんは少し警戒しとこ。



