黙って俺のモノになれ【上】




彼女の家を出ると、明るかった空も、漆黒の色に近づいていた。


俺はふらふらと行き先もなく歩き出す。











そして、たどり着いた先は怪しげな繁華街。


ふと正気を取り戻して辺りを見てみると、両腕に女を連れた、いかにもチャラそうな男。


明らかに怪しい雰囲気のBAR。


そして…今日、真莉愛ちゃんに言われた言葉。













“もっとはっちゃけてるかと思った!”












はっちゃけるって、何だよ……。


いま、ここにいるヤツらみたいにたくさんの女を連れてることか…?


こいつらみたいにすれば、俺はもう傷つかなくていい?













それなら、なってやるよ。


こいつらみたいに。







───────………






あれから俺は毎日、夜の街に出ては女をナンパした。


年上、年下、同い年……。


気にせずたくさんの女に手を出した。


学校ではいつもと変わらない真面目な明るい、……真莉愛に嫌われた俺。


夜は、遊びを知った遊び人のおれ。


そして中学を卒業すると、それを周りに隠さなくなった。


だって、全く違う環境に行けるんだ。


隠す必要もないだろ?


こうして俺は……変わったんだ。









こんなふうになってから、余るほど女の子が寄ってくる。


可愛くて、優しくて、寂しさを埋めてくれる女の子がたくさん。


もう、今の俺にはこの生活以外、考えられない。


……真莉愛には…感謝してる。


だって、こんなに幸せな毎日を与えてくれたんだよ?


ひねくれてるって分かってる。


間違ってるなんてこと、ずっと前から分かってる。





こんな事やっても、本当の幸せは手に入らないって。














だから───────────



「………何か、隠してませんか…?」



心音ちゃんの言葉には心臓が止まりそうなくらい驚いた。


本当の俺を見抜かれたんじゃないかって。


まぁ結局………



「…無理してませんか?………優空くん…」



優空のことだったんだけどね。