そう言われて、俺は戸惑った。
今、あんなキスしたら絶対歯止めきかない。
でも、まだ俺ら付き合って1ヶ月だよ?
いくらなんでも早すぎんだろ…。
でも、真莉愛ちゃんが不安がってる。
しょうがない、必死に理性を抑えるんだ。
そう決め、俺は真莉愛ちゃんに深く、深く口付けをした。
『んっ………ひ、ろと…くん……』
『……っ、真莉愛…』
それに応えるように真莉愛ちゃんは俺の首に手を回す。
理性の限界なんてとっくに超えていた。
だけど、真莉愛ちゃんは大事な彼女。
簡単に手を出していい相手じゃない。
必死にそう思って、俺は耐えた。
そして5分ほど経った頃、俺は真莉愛ちゃんから唇を離した。
『これで……分かってくれた……?』
『………………………』
だけど、真莉愛ちゃんは何も答えない。
え、俺間違ってた?
やりすぎた?
そんなことを考えて、ひやひやした。
だけど、返ってきた答えはそんなもんじゃなくて…。
『なんで!?何でいつもここでやめんの?いっつもいっつもキス止まり!翔斗くんはかっこいいし、明るいし、もっとはっちゃけてると思ってた!』
わけがわからなかった。
何で彼女がこんなに怒ってるのか、とか。
彼女が言ってる言葉の意味、とか。
『真莉愛…ちゃん…………?』
『…翔斗くんは、顔もいいし、モテるし、初めての相手には丁度いいと思ったの!いいでしょ、私の初めての相手は翔斗くんなんだよ、って…言いたかったのに!』
そこまで聞いて、あーそうだったんだって。
真莉愛ちゃんは俺のことなんて好きじゃなかったんだって。
俺は利用されてた事に気づいた。
『本当つまんない!もっとはっちゃけてるかと思った!なのに蓋開けてみたら、臆病だし、いくじなしだし、最悪!もっといい人と付き合えばよかった!出てってよ…。出てって!』
その言葉に、俺は真莉愛ちゃんに背を向け部屋を出た。
『…………俺は、真莉愛ちゃんの事が。本当に、大好きだったよ。……じゃぁね』
そんな言葉を残して。



